光明日報 大連10月22日電(記者・呉琳)高周波センサーは無人航空機(ドローン)システムの「知覚中枢」として、目標の探知・識別、位置特定・追跡、警報・対抗策など多様な任務を担い、ドローンが「単純飛行」から「智能作業」へ進化するための重要な支えとなっている。このたび、大連理工大学の研究チームが開発した、ドローン外皮への超薄型一体集積型高周波センサーが、陝西省蒲城の飛行試験センターでの搭載飛行試験に成功した。これは、我国の曲面アンテナ完全3Dプリント技術が実用化に向けて重要な一歩を踏み出したことを示し、ドローン通信機器の軽量化と高集積化に新たな解決策を提供するものだ。関連する成果は、工学技術と化学工学・化学分野の学術誌『Chemical Engineering Journal』に掲載された。
高周波センサーは、偵察・通信信号を正確に伝達するだけでなく、機体形状に合わせた曲面形状である必要がある。従来、従来型の平面センサーは体積が大きく重量もあり、機内スペースを占有するだけでなく、曲面圧着技術の限界により、大きな曲率への適合性が低く、層間接着力が弱いため割れやすいといった問題を抱え、ドローン性能向上を大きく制約してきた。
大連理工大学化工学院の学生・王煜杭氏は実験中、従来の圧着技術では「完全な曲面貼り付け」と「全寿命にわたる安定した使用」を両立できないことに気付いた。原因は、基材樹脂の電磁損失が大きいこと、そして導電金属との界面接着力が弱い点にあった。同学のこれまでの技術蓄積を基に、中国工程院院士・蹇錫高氏の指導の下、チームは低誘電分子構造設計法を初めて開発し、複数のフッ素構造を含むポリアリールエーテル光硬化樹脂を開発した。チームはさらに、ドローン外皮と「シームレスに融合」できる新型高周波アンテナも開発し、その成果は中国電科グループや中船グループの関連研究所での試用・検証を既に通過している。
関係者によれば、この技術で開発された高周波センサーの信号伝送効率は95%を超え、従来の従来製品に比べて利得が倍増し、50kmの見通し距離内で安定した信号受信が可能であり、ドローン、艦船、極超速飛行体などの高周波通信分野で広く応用できるという。
『光明日報』(2025年10月23日付 8面)